中学受験算数

中学受験の「算数」の勉強で一番大事なのは「解法」です。「自分の感覚に合わない解法」で教わると本来わかるものもわからなくなります。算数が苦手だと言っていた子どもでも「自分にピッタリの解法(考え方)」に出会ったその日から算数がどんどん楽しくなって得意科目になったりするんです。

中学受験

速さとは何か?5

「速さ」とは何か?












「速さ」とは「距離」である。

決して「スピード感」と結び付けて考えてはいけない。

あくまで「速さ」=「距離」=「長さ」なのだ。

だから、速いとか遅いとかいう表現は禁句。

でも、問題文では「兄の方が弟より速いとか遅いとか・・・」書いてあるよ。

そう、だから「変換」が必要だ。

「スピード感」を表す日本語表現を「長さ」を示す表現に「変換」すること。

このことによって「長さ」を意識できたときはじめて「線分図」とリンクする。

つまり「スピード感」ではなくて「距離感」が大事。

「スピード感」を抱えたまま(講師も生徒も)安易に「線分図」に

たよると、線分図の解説に「動き」が伴い混乱しちゃうの。

「速さ」は時間経過を規定することによる距離の大小でのみ語れ!

そして「スピード感」はダイヤグラムの「傾き」でのみ解説すること。

っと、もともと加速度は無視してるんだから(笑)、

もともと「速さ」を「スピード感」と捉えること自体ナンセンス。

とにかく「距離」で勝負なのだ。

だからといって「時速・分速・秒速」の定義から入りゃあいいってもんじゃない。

ってところが算数の講師の腕のみせどころなんだけど。

Y



最小公倍数5

前回の問題「仕事算」の解説で用いた「最小公倍数」が
よくわからない、という質問をいただきました。

ので、習うより慣れろ、でいくつか例を記します。

結論から言うと、別に「最小公倍数」でなくてもかまいません。

極端にいえば、2数を単純に掛け合わせた数字が一番確実です。

あとは、その後の計算のやりやすさとの兼ね合いで判断すること
になります。

実戦的には、2数の「公倍数」であればOKです。

それでは前回の問題を再掲示して解法例をしめします。


≪仕事算≫
兄弟が荷物をトラックに積み込む仕事を請け負った。
兄1人では、すべての荷物を積み込み終わるのに20分かかり、
弟1人では、すべての荷物を積み込み終わるのに30分かかる。
兄弟2人で積み込むと何分で終わるか?

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■解法1

仕事全体を20と30の「最小公倍数60」とおくと、

60÷20=3
60÷30=2
60÷(3+2)=12

正答 12分

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■解法2

仕事全体を 1 とおくと、

1÷20=1/20
1÷30=1/30

1÷(1/20+1/30)
=12

正答 12分

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■解法3

仕事全体を 600 とおくと、(20×30=600)

600÷20=30
600÷30=20

600÷(30+20)=12

正答 12分

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■解法4

仕事全体をなんとなく 120 とかにしてみても、

120÷20=6
120÷30=4

120÷(6+4)=12

正答 12分

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■解法5

仕事全体をあなたの 自家用車のナンバー に設定すると、

ナンバー÷20=X
ナンバー÷30=Y

ナンバー÷(X+Y)=12

正答 12分

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■解法6

仕事全体をあなたの 携帯番号(11桁) に設定すると、

携帯番号÷20=X
携帯番号÷30=Y

携帯番号÷(X+Y)=12

正答 12分

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きりがないのでこのへんでやめますが(笑)、どんな数字に設定しても
答が同じになる意味をあらためて考えてみてくださいね。


旅人算の超高速解法5

「旅人算」・・・中学受験頻出の問題だ。

さて「旅人算」とは何か?

それは「出会い」と「追いつき」である。


当たり前だけど「1人」では出会いも追いつきもできない、ので、

旅人算では「速さ」は複数登場する。AとBとか兄と弟とか2人のことが多い。

(3人以上の場合はまた今度解説します。)

 
で、2人の旅人算の有名なパターン問題をちょっとやってみる。

≪問題≫
ある池の周りを兄と弟が反対方向にまわると10分ごとに出会い、
同じ方向にまわると兄が弟を50分ごとに追い越す。
兄と弟の速さの比(兄:弟)はいくらか?



      mazuha jibunde kangae tene!



解答解説

(5+1)÷2=3
(5−1)÷2=2

正答 3:2(兄:弟)

この2つの割り算がすぐ思いつけば、またはこの意味がすぐわかれば、
旅人算の基本はOKです。


※詳細解説は次回に続きます・・・・

ライブドアブログにもどってきました♪5

早いものでもう12月。中学受験のシーズン到来。

街をクリスマスツリーが飾っていても

受験生をお持ちの家では、いよいよの雰囲気になってきていると思います。

このブログでは、中学受験算数について、

少しでも受験生の役に立てればという気持ちで書いていくつもりです。


ただ、中学受験の塾に通っているお子さんの受けている授業によって、

特に「算数」という科目はその「解法」が大きく異なることが多いですので、

このブログの内容をもとにしてご家庭で教えられる場合は、

塾の講師や家庭教師の先生の考え方や解法との違いに十分留意する必要があります。


そのあたりは追々詳しく書いていきたいと思いますが、

柔らかいと思われがちな子供の頭は、実は保守的な面があります。

算数の解法についても良かれ悪しかれほとんどの場合、

「一番最初に習った解法」が「思考」を支配してしまいます。


「算数」は「解法」がすべてです!


ある単元をどんな解法で習うかによって、

そして、それが「本人の感覚に合うかどうか?」によって、

その単元が得意になるか不得意になるかが決まってしまいます。


僕の経験上言えることは、

自分に合っていない解法で教えられているが故に「算数」が不得意になってしまっている子がいかに多いかということです。

万人に合った解法は存在しませんが

僕の「素頭を鍛える超高速解法」が少しでも受験生の個々の「思考回路」を

豊かにできればうれしく思います。

そして、楽しく軽やかに算数の問題を解けるようになって合格を勝ち取ってください!


【講師プロフィール】

吉武瞳言(6000.jp)

小学生に算数を教えるには、子ども一人ひとりの「思考感覚」に寄り添うことが一番大事。算数はライフワーク。大人のための「算数大学.jp」も運営中。

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音響彫刻家。受験算数・公務員試験の数的処理・SPI3非言語分野を教えてます。解法がすべて。
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